春のうた



かえるは冬のあいだは土の中にいて春になると地上にでてきます。
そのはじめての日のうた。



ほっ まぶしいな。 ほっ うれしいな。

みずは つるつる。 かぜは そよそよ。
ケルルン クック。
ああいいにおいだ。
ケルルン クック。


ほっ いぬのふぐりがさいている。
ほっ おおきなくもがうごいている。


ケルルン クック。
ケルルン クック。





 光村図書国語小学4年上より、作者は草野心平。
 あまりに有名な詩なので、みなさんご存知ではないでしょうか。
 小学校で習った詩の中でも、特にずっと心に残っていて、春になるとふと、「ケルルン クック」と浮かんできます。
 そうして、やわらかい、優しい気持ちになります。
 今日、庭に出たら、風が本当に「春のにおい」!
 この詩をまた思い出しました。
 ケルルン クック。
 春のみずみずしさ、美しさ、そして春が訪れる喜びを、素朴に描いているところが好きです。
 作者とずっと親交のあった、宮澤賢治の作品にも、どこか通じるあたたかさがあります。
 



     


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